DMMデザイン組織の動き2023

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齊藤 卓真
デザイン部 部長

事業会社でデザイン・ディレクション経験を経て2016年にDMM入社。 新規事業のデザインリードを務めた後、複数の事業に開発支援を行うデザイン組織を組成し現職(部長)。その後も全社横断へ組織を拡大。「主体性」と「デザイン+α」のスキルで事業貢献するデザイナー集団を目指す。
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この記事は、DMMグループ Advent Calendar 2023の記事です。

こんにちは。デザインアプローチを軸とした全社横串組織「デザイン部」の部長を務めております、齊藤 卓真と申します。
前回のアドベントカレンダーから早一年、本当にあっという間でした。本稿では、今年のデザイン組織のトピックスをご紹介します。

プラットフォーム戦略を実現するためのUI/UXのブラッシュアップ

プラットフォーム戦略を実現するためのUI/UXのブラッシュアップ

本稿では、3つの出来事についてご紹介します。

  1. DMMプレミアム 制作チームの構築
  2. プラットフォームプロダクト デザインチームの強化
  3. 新規事業のグロースフェーズへの移行支援

1.DMMプレミアム 制作チームの構築

昨年末、DMMの「サービスを横断的に併用していただく戦略」を体現したプロダクトである『DMMプレミアム』をリリースしました。
現在、UX領域を中心に直轄である現在のデザイン部(第3グループ)のメンバーが、複数事業のステークホルダー・各事業担当のデザイナーの皆さんと一体感のあるUXを共創させていただきました。

【取り組み詳細の記事】「効率」と「品質」を高めるしくみ。DMMプレミアムでの制作体制づくり

サービスはリリースしてからが本番。リリース後、まもなくして本格化させた取り組みです。さまざまなトライの甲斐があり、

  • 他部署デザイナーとの混合チーム体制の構築
  • 制作フロー / ガイドラインの整備
  • 初期開発からグロースフェーズに移行する上での人員の再配置 など

を行い、より安定的にサービスをお届けできるデザイン体制に育ってきています。

2.プラットフォームプロダクト デザインチームの強化

次のDMMの戦略に欠かせない出来事がこちら。サービスを横断して利用いただくために広範囲に共通基盤や機能を担うデザインチームです。

【取り組み詳細の記事】DMM.com 横断デザイン組織における、複数サービスをつなげるユーザー体験のつくり方

2022年にデザイン部配下にこのプロダクト群専任のチームを組成。向き合っているデザイン部(第1グループ)の人数を約2倍に増員し、より多くの改善施策をPM・PdM / マーケティング部署 / 開発部署 の皆さんと帯同しながら実施してきました。

昨今、さまざまな意思決定の際に「UX設計やプロトタイプ」が強く求められ、デザイナーも「戦略や方針を見通しながら、抽象度の高い企画段階から携わる」機会が多くなるとともに、一年前に感じた「デザイン思考で意思決定する文化醸成」への手応えが、確信に変わった大事なターニングポイントとなりました。

私自身、現在開発中案件にて久しぶりに、コンテンツ企画・UXデザイン・情報設計のスペシャリストとして参加させてもらい、皆さんとモノづくりができました。やっぱり「デザイン」って楽しいですね!

3.新規事業のグロースフェーズへの移行支援

他にもDMMの戦略に欠かせないことは多くありますが、最後に挙げるのはこちら。

約60事業を展開しているDMMでは、新しいデザイン相談が社内各所から次々ときます。喜ばしいことに、近年リリースした複数の事業が順調にスケールしており、グロースフェーズへ移行しています。新規開発やリニューアルの相談が多く集まる、デザイン部 ( 第2グループ ) へ、

  • サービス拡充で別ブランドを立ち上げるので、追加でデザイナーをアサインしてほしい
  • UXの言語化 / 可視化や、ユーザー行動のウォッチ環境を一緒に構築したい
  • パートナー企業様に初期開発をお願いしたが、施策立案のスピードアップのためにデザイン体制を社内で構築したい

といった依頼を多くいただきました。これは、スピード感を持って事業やビジネスを立ち上げるDMMのいわば「成長痛」です。成長期にまで複数事業がスケールしていることをデザイナーアサインや、メンバーから私へのUX相談の増加からも実感できる一年となりました。

クリエイター( デザイナー / エンジニア / PM・PdM など) の組織統合

今年の8月に、DMMでは「クリエイター」と呼んでいるデザイナー / エンジニア / PM・PdM などの職種を渡辺CTO管掌とし組織を統合。

同時期に開催した社内イベント「開発組織総会」で、デザインパート(DMMプレミアム開発時の振り返り)として以下をお話しさせていただきました。

クリエイター

DMMが目指す次のステージ「サービスをより横断的に併用していただく」には、

「サービス間でのシナジー設計をする上で、ユーザー目線」がより必要になった。その実現を考えたときに「横断的な共創を試みる上で新たな組織課題」が見えてきた。

(例:全体を俯瞰した体験設計 / 横断的な情報設計 / 相互的な実装考慮や協調 )

新しいステージに挑むからこそ「見えてきた課題」であり、「解決すべき目標」でもある。そのための土壌作りがクリエイター組織統合であり、組織全体としても新たな挑戦が始まること。

一方で、昨年の『DMMプレミアム』の開発の際にデザイン職能で独自に横断連携していた、さまざまな枠組みで培ったネットワークに助けられたことに対してお礼を述べさせていただきました。

枠組みとは、約100名在籍していただいているデザイナーの皆さんから、役割に応じて集まってもらい組織を跨いで連携している、以下の活動です。

  1. 組織間の協業 / OJT設計の連携を推進する枠組み
  2. 勉強会 / 交流会デザイン人材の得意領域の可視化業務上のデザインに関する基礎知識の伝搬を行う枠組み
  3. 他職能と共創可能な複合スキル人材の設計 / 教育推進の枠組み

さらなる、デザイナーの活躍を支える組織機能のブラッシュアップを目指すことは、より良い一体感のあるサービス体験の実現に必要なファクターです。

その実現に、これまで培ってきた「共創の積み重ね」や「人と人とのネットワーク」が、なくてはならないコアだと信じています。

AIの動向調査や業務導入推進

AIの動向調査や業務導入推進

2023年といえば、「生成AI」。DMMでもAIを知り、積極的にAIの業務導入を目指す一年となりました。

個人的にも、生成AIを中心に2023年の冒頭から技術革新に驚きを隠せなかったことを思い出します。この頃の画像生成系のAIモデルは、プロンプトベースのText2Imageによるビットマップ画像の生成が中心で、世界中が生成モデルを学習させていた頃だったかと思います。

2023年の春から夏にかけては、アプリケーションベンダーが次々とデザインサポートの機能拡充や、さまざまなデータ形式に対応した生成機能をソリューションとして投入する動きを見せてきた頃。

デザイン業務へのAI導入を念頭に、第4の全社横断枠組みを始めました。社内では「デザインAI推進プロジェクト」と呼んでいます。

【取り組み詳細の記事】業務でのAI活用を目指して。DMM.comの「デザインAI推進プロジェクト」

多くの事業のデザインを預かる「横串デザイン組織の中核人材」と、「デザイナーが複数人所属しグロースに携わるデザインチーム」からも代表者を集め、

  • 「WEB / グラフィックデザイン」「UIデザイン」「UXデザイン」の職域別に汎用的な業務工程の洗い出し
  • 各業務工程で活用できそうなAIソリューションを試し業務導入できるかの検証
  • 得られたナレッジをプロジェクトメンバーが週単位で共有・知見の持ち帰り

といった取り組みです。さらにこの数カ月間は、次のような取り組みも実施してきました。

  • 画像生成や加工サポート機能の利用ガイド作成と配布
  • ホールディングス内外や、ベンダー様との情報交換 / 活用セミナーの実施
  • 法務部と知財関連を中心にした相談ルートの構築 など

この枠組みを企画・運営する自らも学びになる一方で、画像解析力の向上・手軽な動的要素の付与・ベクターデータ対応・音声合成・デザインファイルとデータの構造化とリンク・効果予測技術など、日進月歩で常識が覆るエキサイティングな毎日にドキドキしています。

この間に、プロジェクトメンバーと業務導入を検討すればするほど痛感したのは「デザイナーの皆さんは、大変広範囲で繊細で複雑な責任の大きい仕事をしている」という事実でした。

まだまだ、AIにお任せできる業務領域が限られていますが、「デザイナーが今以上にプロダクトとユーザーに目を向け、考え抜き、生まれたアイデアをトライに移す手助けをしてくれる頼もしいコパイロット」になってくれると考えています。来年の今頃「この一年でAIが当たり前に業務で定着し、デザイナー皆がAI活用のモデルケースとなったのでプロジェクトが役目を終えました」と言えるよう、まだまだ道半ばですが、業務導入を2024年も推進していきたいと思います。

余談ですが、この記事のイラスト風の挿絵(UX社内連携の解説図を除く)は、生成AIで作ってみました。

さいごに

現在、DMM.comには約100名のデザイナーがおり、広義におけるデザインに要求されるさまざまな事柄に向き合っています。全てのデザイナーが同じ事をできるのではなく、「各専門性が事業推進の活力となるべく連携できる組織づくり」をこれからもチャレンジして参ります。

もし、DMM.comのデザイナーやデザイン組織にご興味を持っていただけるようでしたら、以下からご連絡いただけますと幸いです。

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