『がんばらない運営』ー DMMのPMイベント運営の秘訣 ー

サムネイル

はじめに

合同会社DMM.com、アルファ室プロダクトマネージャーの小島と申します。アルファ室とは、プラットフォーム横断のPM組織です。

「社内でイベントを立ち上げたいけど、どうしたらいいかわからない」
「継続できるか不安で、なかなか一歩を踏み出せない」

そんな悩みを抱えている方へ。僕は2024年9月から、社内PM向けイベント「プロジャミ!!」を2か月に1回のペースで運営し続けています。次回で第7回目を迎え、1年以上継続できています。以下のnoteマガジンで、各会の様子が公開されていますので、よければご覧ください。

note.com

この記事では、1人で運営しながらも長く続けられる「がんばらないイベント運営」のノウハウを、実体験に基づいてお伝えします。

「プロジャミ!!」というPMイベントを社内で運営しています

プロジャミ!!とは

「Product Design JAMMING NIGHT」、略して「プロジャミ!!」。略称で呼ばれ過ぎて、デザインとナイトは概念ごとどこかへ消えていきました。

image1

生き残ったJammingは好きな言葉です。音楽でいう「Jamする」からとってきました。立場・肩書きの違うメンバーが一同に会して、自由にセッションをしてもらいたい。フラットに全員が意見交換できる場でありたい。そういう願いを込めて、この名前にしています。

このイベントの目的は、社内のプロダクトマネージャー人材のコミュニティ化です。ナレッジのシェアやスキル向上、その先には、DMMのプロダクトマネジメントのブランディング・採用広報も視野に入れています。

イベントでは毎回異なるテーマを設定して、オフィスでLTやトークセッションを実施。その後、交流会(という名の飲み会)を行っています。社内にはこうした交流会の開催支援制度があるので、それを利用させていただいています。

こうした社内イベントは、有志で運営する形になりやすく、個人に負荷が偏って継続が難しく感じられることがあります。

僕自身も当日の運営以外はほとんど1人で進めていますが、それでも無理なく続けられている理由がいくつかあります。今回は、同じように悩んでいる方にとって、少しでも参考になればと、このテーマを選びました。

「コミュニティ」と「イベント」の違いを意識する

能動的・戦略的にコミュニティを作ろうとすると、大概、何かしらの「イベント」を開催する運びになることが多いです。逆に言えば、イベントを開催することで、おのずとコミュニティが形成されていきます。
おそらく、社内「イベント」を企画しようとしている多くの方は、「コミュニティ」化まで含めて考えておられるんだと思います。

注意しなければいけないのは、「イベント」をやるだけでは「コミュニティ」にはならないということです。

例えば、前述した「プロジャミ!!」の開催目的を達成するためには、「イベント」をやるだけでは達成できません。しっかりとコミュニティ化していく必要があります。
「イベント」がコミュニティ運営の中で重要な役割を果たすことは間違いないが、イコールにはならない。ここを意識しておかないと、継続されないものになってしまいます。

コミュニティをより強固なものにしていくためのイベントだということを念頭におきましょう。

社内イベント運営時に持つべきたった2つのルール

イベントに際しては、以下2つのルールは絶対に守る必要があると考えています。

image2

ルール1. とにかく定期で継続

とにかく、ルーティーンを作りましょう。細かいことでも構いません。こうすることでメンタルモデル作りを徹底します。

僕の場合は、以下の2つのルールを作っています。

  • 2か月に1回必ず開催する
  • 1か月ほど前に告知する

こうすると、1か月に1回は何かしら連絡が来ます。「参加応募→開催→参加応募→開催」のルーティーンが完成します。周知連絡が来る方も「あ、そろそろかな?」という気持ちになってきます。これがメンタルモデルです。
そしてそれをルーティーン化できるくらいには、質より効率を重視しましょう。

ルール2. 人集めに集中

これは、イベント主担当者がどんなポジションかによって方法論が変わってくるかと思います。

僕の場合は最初、ダイレクトメッセージを積極的に送りました。いろんなところに自分で宣伝はもちろんしましたし、チームメンバーにも宣伝をお願いしました。交流イベントが開催されることの認知と、とにかく名前だけでも覚えてもらうことに徹底します。
どれだけ人が来なくても、挫けず継続していくマインドは必要です。人が来ないからやめよう、ではなく、どうしたらきてくれるか?を考え続ける。人集めも継続が大事です。

その他は『がんばらない運営』がモットー

先ほども書いたとおり、コミュニティ化においてイベント開催は一部に過ぎません。その他のタッチポイントを総合的に考えると、上記の2つのルールさえ守られていればよく、あとはイベントで頑張り過ぎないようにしています。

以下、『がんばらない運営』をここに提唱します。

image3

1. テーマ設定をがんばらない

各回のテーマ設定が一番大事だと思いがちなのですが、必ずしもそこに全力を注ぐ必要はありません。ちゃんとアンケートや対話からニーズは拾っていくことは必要です。

ただ、イベントは継続していくのですから、毎回毎回そんなに100点を出さなくてもいいじゃないですか。大事なのは、興味を引く導入や流行りがあること、そして、出口があることだけです。テーマや内容に凝り過ぎてよかった試しは正直一度もありませんでした。

これまで「プロダクトのしくじり」「プロジェクトのしくじり」「AI」「組織設計」などをテーマにしてきましたが、テーマや目的を具体的にすればするほど、参加者は減っていきました。イベント運営の「ルール2」に違反することになりますし、雰囲気としても参加人数が多いに越したことはありませんから、程よく、頑張り過ぎないようにしています。

2. 1開催ごとの成果のためにがんばらない

一回一回のイベントの成果は、参加人数と満足度くらいに留めましょう。そのほか、その場の交流で発生する「何か」に、期待してはいけません。
奇跡的にコラボレーションが生まれるかもしれませんが、それは偶然です。イベントはコミュニティの中でもかなりのHigh-touchポイントです。Low-touch、 Tech-touchポイントを作っていくからこそ生きてくるものです。

「楽しかったな」と思っていただいて、記憶に残ればそれでいいのです。

3. 演出をがんばらない

イベントに参加してよかったと感じてもらおうと、色々と工夫を凝らした企画をする方がいるかもしれません。それも頑張るのはやめました。
毎回毎回スタイルが変わると、参加者のメンタルモデルが崩れ、期待値が変わってしまうからです。基本の型を作っておき、それに従う。たまに少しアレンジを加える。そのくらいで良いと思います。

『がんばらない』を、頑張る

イベントってやる気がある方がやっているものだと思います。参加した人に満足してもらったり、コミュニティを活性化させて、成果をアピールをするために、頑張っちゃう人が多いかもしれません。
不安になっちゃいますよね、とてもわかります。でも、さっき言ったように、すぐにリターンがあるわけではありません。
だから、サンクコスト効果を踏まえると、イベントを実行はリターンを期待しない程度に頑張るっていうことなんですね。
焦る気持ちをグッと我慢して、がんばらないを、頑張る必要があります。意外とこれ、難しいです。

これから僕が頑張ること

『がんばらない運営』を今後も続けていきますが、1年間イベントを運営ができたので、今後はコミュニティ化や採用ブランディングに力を入れていこうと思っています。

コミュニティ化は、接触頻度と濃度を調整してコンテンツ整備していこうと考えていて、例えば「noteによるマガジン」「社内PM向けポッドキャスト」「有志によるナレッジシェア(不定期)」などいくつか考えています。話のネタについては、今アイディアはあるんですが、運用が回ってきたら、また記事にしようかなって思います。

それから、社外に向けてのブランディング化。これにまず必要なのは、強固なブランドコンセプトと、脱属人化です。DMMの価値をしっかりと明示することで、必ず、ファンがついてくれると思っています。

最後に

社内イベント運営は、継続が何よりも大切です。2つのルールを守りつつ、がんばらない運営を心がけることで、長く続けられるコミュニティが育っていくはずです。
そして、アドバイスがあれば、いつでも欲しいので、X(@YutaKojima)にて連絡も待っています。

最後に、作家、井上ひさしさんの僕の大好きな言葉で、締めたいと思います。

むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
そしてゆかいなことはあくまでゆかいに

(出典:井上ひさし『自家用 文章読本』)

12月も、ゆかいに突っ走っていきましょう。