
はじめに
ITインフラ本部インフラ部の伊藤と山口です。 2025年7月30日から8月1日に島根県松江市で開催されたJANOG56 Meeting (以下、JANOG56)に、 JANOG56の会場ネットワークを構築・運用するNOCのメンバーとして参加してきました。
2025年3月から8月までの約半年間、NOCチームがどのような活動をしてきたのか紹介します。
JANOGおよびJANOG Meetingについて
JANOGとは、インターネットにおける技術的事項およびそれにまつわるオペレーションに関する事項を議論・検討・紹介することにより、 日本のインターネット技術者および利用者に貢献することを目的としたグループです。
JANOG MeetingはJANOGが年数回開催するミーティングで、日本全国からインターネット関連技術者が集結し、運用技術や今後の課題などについて議論する場となっています。
NOCの構成
JANOG56 NOCはBAKUCHIKUのメンバーによる以下のチームから構成されています。
- バックボーン (上流回線の接続設定)
- L2L3 (会場内ネットワーク構築)
- AP (Wi-Fiアクセスポイント構築)
- ケーブル (会場内ケーブル配線)
- サーバ (サーバインフラ構築)
- アレンジャー (各種調整、広報など)
伊藤はアレンジャーチームのリーダー、山口はL2L3チームのメンバーとして参加しました。
NOCの活動
JANOG56 NOCチームの活動は3月のリーダーキックオフミーティングから始まりました。 リーダー内で全体方針・構築方針・スケジュールを共有・検討しつつ、NOCメンバー募集と選考も実施しました。
4月に第1回全体ミーティング(キックオフ)を開催し、NOCチームとして本格的な活動が始まりました。 キックオフ以降は、全体ミーティングを月1回のペース、各チームごとのミーティングを週1回~隔週に1回のペース、チーム横断で設計・構築・設営ミーティングを不定期に実施し、ネットワーク構築準備を進めていきました。
JANOG56の直前、7月25日から会場の片隅でホットステージが始まりました。上流回線の開通、利用する機材の検品、設定投入、動作確認などを順次実施していきました。 NOCメンバー全員が一堂に会するのはホットステージが初めてということもあり、ホットステージ作業後に懇親会を実施してNOCメンバー間の交流を深めていきました。
JANOG56の前日、7月29日にネットワーク設営作業を実施しました。会場設営作業が実施されている中、EPS(電気や通信の配線・配管を通すスペース)内作業や高所作業、ケーブルピットへの配線作業を含む設営作業を実施しました。
7月30日~8月1日はJANOG56本番です。NOCとして会場ネットワークを運用しながら、JANOG56のプログラムに参加したり、協賛ブースを巡ったりしました。 また、JANOG56の参加者に対して会場ネットワークの内容やNOCの活動をアピールする場として、NOCツアーを実施しました。
8月1日午後から、会場ネットワークの撤去作業を開始しました。利用終了したエリアから順次ネットワーク機器やケーブルなどを撤去していきます。 また、EPS内の配線の原状復帰作業も行いました。機材の撤去完了後、借用した機材の返送手続きを行って作業完了となりました。
8月下旬に振り返りミーティングを実施して、JANOG56 NOCチームは活動終了となりました。
NOC各チームでの活動
L2L3チーム
今回、山口がL2L3チームのメンバーとして参加させていただきました。L2L3チームの活動についてご紹介します。
L2L3チームは会場内ネットワークの構築を担当します。上流回線を担当しているバックボーンチームからインターネット向けの経路を受け取り、APチームやサーバチームの他、配信関係者様、ブース出展者様が接続するスイッチの提供までを担当範囲としています。
また、今回は25台(予備機を含む)の機器を利用しており、それらを効率的に管理するため設定変更やコンフィグのバックアップを即時に行えるようにAnsibleを用いた自動化の取り組みを行っていました。
続いてL2L3チームのスケジュールをご紹介します。
- 4~5月
- 構成図作成
- 要件定義
- 必要機材のリスト作成
- 6~7月
- 詳細設計
- 技術要素の勉強会
- コンフィグの作成
- ホットステージ (7/25-7/29)
- 到着機材の開梱、検品
- コンフィグ投入
- 結合試験
- 機材の設置と接続
- JANOG56本番 (7/30-8/1)
- ネットワークの運用、監視
- トラブルシューティング
- NOCツアー
- 終了後
- 機材の撤去、初期化、梱包
事前の準備では他チームと打ち合わせを行いネットワーク要件をまとめて構成図や設計書を作成しました。それらをもとにネットワークのVLANやルーティングを設計しコンフィグを作成しました。
ホットステージでは到着した機材の確認と機材へ作成したコンフィグを投入し試験しました。この時、不足していた設定や不具合などが見つかれば適宜修正しました。試験完了後は事前に決めていた配置にスイッチを設置していきます。
いよいよJANOG本番が始まるとサーバチームが用意してくれたZabbixやGrafana、Syslogサーバを利用しネットワークが正常に稼働しているかを常時監視していました。場合によっては実際に各会場へ赴き、ネットワークの品質を確認していました。また、ネットワークに問題が発生したときにはメンバーで集まり、トラブルシューティングを行いました。
JANOGの終わりが近づくとプログラムの終了した会場から順次機器の撤去を始め、すべての機器と会場を設営前の状態に戻して活動を終了しました。
以上がL2L3チームのご紹介でした!
アレンジャーチーム
伊藤はアレンジャーチームのリーダーとして参加してきました。
アレンジャーチームはNOCの他チームとは異なり、ネットワークの構築・運用に直接関わることはありません。 全体リーダーおよび各チームのリーダーと連携して、NOCチームの全体管理に関する作業を担当しました。
アレンジャーチームが担当した主な作業は以下の通りです。
- 機材管理
- 管理方針策定
- 借用・購入機材とりまとめと手配
- 搬入・搬出手続きとりまとめ
- 人員・スケジュール管理
- メンバーリスト作成
- 学生メンバー向け支援(宿泊・交通費)とりまとめ
- NOCメンバーのJANOG56参加登録手続き
- ホットステージ~本会議中のスケジュールとりまとめ
- お弁当・バスなどの手配(事務局と協力して)
- NOCメンバー向け「しおり」の作成
- 広報など
- Webサイト更新
- NOCツアー企画・運営
- 実行委員会のニュースレターやホストのブログ作成への協力
- 会場Wi-Fi情報とりまとめ
- 実行委員会や事務局との連携
NOC活動に興味を持ってくれる人には一見すると技術寄りではない地味な活動内容なのですが、全体リーダーと同じ視座で50人強のチームの全体管理ができる、というのは非常に貴重な経験だと思います。
NOCに参加して
山口
今回初めてJANOG NOCに参加し、L2L3チームとして活動させていただきました。チームメンバーの皆様には学業や業務の合間を縫ってご参加いただき、時には夜遅くまで議論をすることもありました。様々なバックグラウンドを持つメンバーがお互いに持っている知見を共有し協力して一からネットワークを作り上げていくのはとても刺激的で素晴らしい体験でした。 今までの業務では使うことのなかった技術や突発的なトラブルシューティングなど学ぶことが多くとても勉強になりました。そしてなによりもNOCとしての活動はとーーーーーーっても楽しかったです!
伊藤
JANOG55に続いてJANOG56でもNOCチームの一員として活動してきました。 NOCチームとしてJANOG56会場ネットワークを大きな問題もなく提供できたこと、NOCチームのメンバーがネットワークの設計・構築・運用から撤去までを経験する場の提供を支援できたことを非常にうれしく思っています。