はじめに
皆さん、こんにちは!データサイエンスグループの平野と菊谷です。 私達は2024年にDMM.comに新卒入社し、現在はデータサイエンスグループの中で、それぞれ検索・レコメンド機能に機械学習技術を掛け合わせて性能改善や新規プロダクト開発に取り組んでいます。 去年に引き続き、今年もDMM.comがプラチナスポンサーを務める『DEIM2025(第17回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム)』に参加しましたので、そこでの活動や感想をご紹介していきたいと思います!
DEIM2025の概要
DEIMは、日本データベース学会・データ工学研究専門委員会・データベースシステム研究会が主催する、データサイエンスや情報マネジメントに関する幅広い研究テーマの議論・意見交換を目的としたフォーラムです。セッションは、画像処理や自然言語処理などの機械学習・深層学習を中心としたものから、医療や音楽・料理などの特定ドメインに関する研究まで、幅広いテーマが対象とされています。また、これらのテーマは口頭での一般発表はもちろん、それらの内容をポスターとして掲示し、発表者と参加者がディスカッションできるインタラクティブセッション形式での発表があります。それ以外にも、大学教授や企業内研究員によるチュートリアルや、学生や研究者の交流を目的としたネットワーキングなどが用意されています。
2020年から2022年までは新型コロナウイルスの関係で完全オンライン開催でしたが、一昨年度のDEIM2023からはオンラインとオフラインの両方を取り入れた『直列ハイブリッド形式』が採用されています。これにより今年も、一般発表はDay1〜Day3にオンライン会場で開催され、チュートリアルやインタラクティブセッションはDay4~Day5にオフライン会場で開催されました。 また今年もプラチナスポンサーの一角として、優秀な発表をしてくれた学生さんを表彰し副賞を授与する一幕もありました。
開催概要は次の通りです。
- 日程:2025年2月27日(木) ~ 3月4日(火)
- オンライン会場:DEIM2025 オンライン会議ポータル
- オフライン会場:福岡国際会議場
- 公式サイト:第17回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム
参加レポート
一般発表(技術報告)
DMM.comは1日目のセッションにて、次の内容を発表しました。
- タイトル:『DMMにおける検索・レコメンドの取り組み』
- セッション情報:Track 3: 情報検索・情報推薦・ソーシャルメディア [1F]推薦システム(1) 2/27(木) 10:00 〜 12:10
- 公演情報: [1F-05]【技術報告】DMM.com における検索・レコメンドの取り組み
ここではDMM.comのプラットフォームにおけるデータサイエンスグループという組織の役割や取り組みについて紹介させていただきました。 具体的には、グループ目標や検索とレコメンドの各チームが開発するプロダクトの事例紹介、それらがどのようにユーザーに届けられるかを示したアーキテクチャ、プロダクトに用いられる機械学習モデルなどについてです。 また、今年度は業界的にも先進的な取り組みであるベクトル検索とニアリアルタイムレコメンドについても触れました。これらは現在も開発中のプロダクトですが、オンライン・オフライン通して参加者からの関心度は非常に高かったです。
インタラクティブセッション
DMM.comは今年度も、Day4・Day5の両日でスポンサー企業展示にてブースを出展しました。また、これまでの反省を活かし、スライドとは別にポスターを作成したり、技術広報チームの方々の手厚いサポートを受けてノベルティを拡充したりとブース設営に力を入れました。 その甲斐あってか、足を止めてくれる方も多く、幅広い分野の方々と活発な議論ができました。
スポンサー賞
去年に引き続き、今年もDMM.comからスポンサー賞を授与させていただくことになりました。 今回は次の研究を合同会社DMM.com賞として選定いたしました。
- タイトル:『Mutual Proximityに基づくTop-K推薦における人気バイアスの制御手法』
- 中嶋 太一1、陳 漢雄1、古瀬 一隆2 (1. 筑波大学、2. 白鴎大学)
- セッション情報:Track 3: 情報検索・情報推薦・ソーシャルメディア [3F]推薦システム(3) (2025年2月27日(木) 16:00~18:10)
- 公演情報: [3F-02]Mutual Proximityに基づくTop-K推薦における人気バイアスの制御手法
提案手法は、アルゴリズムに依存せず、後処理として人気バイアスを除去できるという点で、実用性が高く非常に有用であると感じました。 特に、提案手法では、映画や音楽データにおいては引き続きバイアス除去と精度低下のトレードオフが見られたのに対し、ECデータに対してはバイアス除去と精度向上の両立が見られた点は、どちらのサービスも展開している DMM にとっては大変興味深い結果でした。 本研究で示されたドメインごとの特性は、人気バイアス除去において貴重な示唆を与えてくれます。 このドメイン間の差異を生み出す要因を解明し、提案手法がさらに洗練されることを期待して、スポンサー賞を授与させていただきました。
おわりに
DEIM2025では、DMM.comのデータサイエンスグループの取り組みについて具体事例を交えて紹介させていただきました。 今回の参加は新卒の2名でしたが、会社としての参加は3回目ということもあり、展示やノベルティ、ポスター印刷についての知見も貯まっており昨年までと比べても充実したブースでお出迎え出来たと思います! また私達の既存の取り組みや、現在開発中の先進的な取り組み(ベクトル検索・ニアリアルタイムレコメンド)についても有意義なディスカッションができ、それらが大変励みになりました。これは運営組織の方々をはじめ、いろいろとご協力してくださった皆さまのおかげだと考えております。 関係者の皆さま、今年も本当にありがとうございました!
最後にDMM データサイエンスグループでは一緒に働いてくれる仲間を募集しています! またDMMの雰囲気を感じつつ成長できるようなエンジニア向けのインターンシップも幅広い職種でご用意しています!ご興味のある方は、ぜひ下記の募集ページをご確認ください!