お仕事勤務記録を調査してみた件

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0. 自己紹介

24新卒でML基盤チームに所属している菊地ひなたです。普段は社内の機械学習エンジニアの皆さんにモデルの学習や推論ができる環境を提供しています。 得意技は料理で、好きな趣味は魚を捌いて、野山で野菜や果物を刈ることです🥝。

1. はじめに

調査の背景と目的

大学院時代に行なっていた研究活動において、記録をgoogle docsにつけていました。 その影響もあり、配属初日の8月1日から勤務記録をつけ始めました。timesでその旨を公表したところ、思ったより新卒同期で同じ活動をしている人がおらず、勤務記録が一般的でないということに気がつきました。

勤務記録に関する会話@slack

でもだとしたら、どうやって日々のお仕事の内容を記憶しているんでしょう…実は勤務記録という形でなくても方法は他にもあるのかもしれません…。 このような考えから誠に勝手ながら、周囲を巻き込んで勤務記録をとるととても良いぞという話をします!

2. 忙しい人のための要約

  • 勤務記録は全体6割がつけていた
  • 記録の取り方はバラバラだけどシンプルなのが人気かも
  • つけている内容のほとんどはTODO
  • みんなのTipsが最高

3. 調査対象の概要

調査方法について

弊社社員の皆さんを対象にアンケートを実施しました。要件は以下の通りです。

アンケート方法: google formによる記述

回答数: 41

アンケート回答者の職種について

ほとんどがエンジニアで、一部ビジネス・バックオフィスの方々にご協力をいただけました。 本当にありがとうございます🙇‍♀️

職種割合

勤続年数の分布

timesでの周知だったこともあり、新卒の分布が多いですが、先輩社員の皆様や、十年選手の歴戦の獅子が参戦しています。 猛者とてもとてもありがたい…。

勤務年数分布

4. 勤務記録の実態

記録をつけている人の割合とその背景

一番気になっていた記録の有無についての質問です。記録をとっているかどうかに焦点を当てています。なのでどんな形式でも勤務の内容を何かしらに記録している人がいるか、そうでないかを聞いてみました。

結果は全体の63.4%、約3分の2の人たちが勤務記録をつけているという結果になりました。

勤務記録をつけていますか?

勤務記録の実態調査と銘打ってしまっている以上どうしても勤務記録をとっていない人へのバイアスがかかってしまって、とっている人しかアンケートに回答していない可能性もあります。 とはいえ、3分の1の人たちが勤務記録をつけていないので、バイアスがあったとしても全体のバランスは良さそうです。

記録の形式(日報、メモ、電子ツールなど)

これはかなりばらつきが出ました。後半の内容で各ツールの利点や推しポイントについて記述しているのでぜひ見てみてください!

勤務記録ツール

1位は社内コミュニケーションツールslack(26.9%)で、自身のトークにメモを書くというのが多かったです。2位は意外なことにメモ帳(15.4%)でした。3位はnotion(11.5%)です。 1位2位を総合すると、思ったよりも勤務記録自体に機能を求めていない人が多いという結果になりました。さっとかける手軽さが人気なのかもしれません。

5. 記録ツールの活用実態

記録内容の詳細

勤務記録への記載内容について調査しました。図には上位6位を表示しています。

記録内容

このほかには、「資料として残すまでもない殴り書きや思いつきを書く」という意見や、「その日のスナップショットとして、todo, journal(やったこと), next(明日やること), icebox(いつかやりたいこと)」を残すといった意見がありました。

やはり思考を整理できる取り組みとして勤務記録が一役買っているのはあるみたいです。一方で思考を整理できるからこそ、目の前のタスクにとらわれない「いつかやりたいこと」は観点として抜けていたのでぜひ実践してみたいですね。

記録の管理方法

  • 内容と年月日時の紐づけ

人によってはきっちりとその日の内容を分刻みでスケジュールする人もいれば、ざっくタスクベースでスケジュールする人などもいると思います。では実際どのくらいの人がと年月日を分けるのでしょうか?

結果、ほとんどの人が年月日時との紐付けをしていました。ですが一方で全体の約1割の人たちが時間単位で記録していないというのもわかりました。

  • 管理の単位

では実際に時間以外の記録方法とはどのような単位を指すのでしょうか?内容と紐付ける単位について聞いてみました。

勤務記録の時間単位

一部分刻みでの記録をとっている人もいますが、ほとんど全ての人が日時で記録をつけています。時間ではない記録の方法としては、チケット単位やslackの投稿時間などが挙げられています。

ちなみに菊地は午前午後の単位で業務記録をつけています。お昼明けにお仕事の内容を忘れないように休憩を挟んだ勤務記録をつけたのがきっかけで始めた勤務記録方法です。

記録のメリットと成功例

ここまで勤務記録の取り方について回答者同士の共通点や関心ごとについて一律に見てきましたが、ここからは各人が考える勤務記録のメリット・デメリットに焦点を当てていきたいと思います。

「記録をつけていて良かったこと」をアンケートした結果を以下にまとめました。

  • 忘れることが減った

    • 忘れミスが減った
    • PC開いた瞬間何やるんだっけ〜〜〜がなくなる
    • 日時申請が楽。終わらなかったときスムーズに持ち越せる。
    • 時間経った後も自分の思考フローのまま思い出せる
    • 朝会で昨日の作業内容を話すときに、メモを参照できる。
    • TODOを一覧にできるので、作業中に他のタスクのことを考えなくてすむ。
    • 認識漏れが減った
  • 頭の整理ができる

    • 作業内容を書く手間が発生するので、作業前にその全体像を考える時間を強制的に取れる。
    • 今日しないといけないことを可視化できるのでわかりやすい
    • 頭の整理ができる
    • やることの明確化
  • 後から見返せる

    • 振り返りになる。
    • 後から調べられる
    • 後から見返して自分が何をやっていたのかわかること。
    • 細かい仕事が多いので俯瞰して優先度を判断するのに役立ってる&振り返るのに役立っている
    • カオナビ記入する際に成果と課題を掘り返しやすい
    • 振り返りがしやすい
    • 勤怠システムへの入力時に正確に作業記録を登録できること。作業内容や依頼内容についてすぐに思い出せること。
    • 書いたら覚えてなくてもいいという安心感は大きいです。具体的なメリットとしては評価時期に振り返りやすい、文字で検索すればhitする時期で大体の対応時期がわかるので、抜け漏れ少なく実績をまとめやすいところです。
  • モチベーション向上

    • モチベとかに繋がってるのかな思う
    • 記録がつくこと(仕事してきたな〜感が出る)

記録のデメリットと失敗談

逆に記録をつけていて失敗した話ってあるのでしょうか?「勤務記録をつけていて失敗したことはありますか?」という質問をしたところ、一番多かった意見が、デメリットが特にないことでした。 やはり、記録をつけていることで不便を感じるということは少ないようです。それ以外のデメリットを以下にまとめてみました。

  • 書き忘れ/書き間違えてしまう

    • たまに忘れること笑
    • 書いておくのを忘れる時はもうだめ
    • つけ忘れ
    • 別の日付にしてた
  • 書き殴ってしまう

    • 適当に書きなぐって終わりなことがあり、情報を探すのに時間がかかることがあった
  • フォーマットを決めずに書いてしまった

    • フォーマットを決めずにメモをつけていたため、後から集計・分析しようとした時にできなかったこと
    • "未完了のタスクがあります"と、同じタスクが残り続けた
    • 1日単位で記録をつけていたものを1時間単位に変更した結果、作業が押したりして予定時間に収まらなくなったために記録を取らなくなったことがある。
    • 特にありませんが、強いて言えば Slack に記録用のチャンネルを作ってもよかったかもとは思います。今は通常の会話(業務上のやりとり)をするチャンネルに書いています。
  • 書いた内容を忘れてしまった

    • 以前こんなこと書いたなーってうっすら記憶があっても何日に記録したものか思い出せず遡れない
    • 1週ごとに上書きしていく運用なので、それ以前のことを覚えていないことがよくある。
    • 記録つけたけど振り返って利用することがない
  • ツールのセッティングに躍起になってしまった

    • タスク管理ツールと連携しようとして、複雑になってそっちの仕組み構築に躍起になってしまう

思ったよりもフォーマットが決まっていない状態で描き始めたことによるデメリットが多いみたいですね。既存のテンプレートなどを使いまわそうとしても都度不都合が出ることが多いので、やはり勤務表も育てるのが定石かもしれません。

勤務記録とツールの推しポイント

アンケート内で勤務記録自体の推しポイント、各ツールのおすすめポイントを聞いてみました。

  • 勤務記録自体

    • 今日やったことと次にやることと疑問点を書いておくことで、休み明けでも浦島太郎になりにくい
    • 日付ごとのTodoなどと並行して、いろんな言語やツール、関わっている事業のドメイン知識をまとめることで自分だけのドキュメントになるから、同じエラーでつまづかない
    • 記録を活用する際(勤怠システムへの入力など)に利用しやすい形式で記録することです。
  • Slack

    • 結局別ツールを使うと見るのを忘れるので、slackが一番安定した。
    • notion以外にも勤務開始や終了にはslackのtimesに残しています。社内OSSの勤怠連携で打刻を連携しつつ、iphoneのショートカット機能を使えば音声や1タップでslackのworkflowを起動できるので、昼休憩や休憩戻りなども記録するようにしています。
    • 以前はobsidianなどテキスト系のツール + Slackのリマインダーと下書きを使っていたが、slackのリスト機能ができてからはそっちにしていて、コメントやメッセージを紐付けて管理している。

    Slack、思ったよりも多機能になっていて連携なども充実しているみたいですね。とっても勉強になります✍️

  • その他のツール

    • 手書きで書きたい気持ち+引っ越しじゃないと消えない (書いた物を移動しない限り消えないの意味?)
    • Google Calendar手軽にタスク確認できるのでオヌヌメです。
    • Obsidianはローカルでmarkdownをかけるので社内情報をアップロードせずに扱える(機密性が高い)点がいいと思います。
    • Obsidianの推しポイントについて。基本的にNotionと同様の使い方ができます。Notionとの差別化ポイントとして、「ローカルで保存できるので機密情報の記載に気を使わなくいい」「Vimのコマンドでテキストの編集ができる」があります。
    • Stickies: 今やることが常に見えているので集中しやすい
    • toggl: 実際に使った時間を分析できる

    Obsidianを使っている人・推している人がちらほらみられました。そのほかにもGoogle Slideやstickies、 togglなど、さまざまなツールで管理されているようです。 フォーマットを決定するついでに皆さんのおすすめツールを試して使ってみるのも良いかもしれません!

まとめ

予想に反した内容が多くて面白かったです。主に下記の内容が予測に反してました。

  1. 人気なツール類の上位にメモ帳がランクイン

  2. 一見シンプルそうに見えるslackも拡張がどんどん増えていて便利そう

  3. 記録内容に濃淡がある(TODOだけでなくKPTや勤務時間の記録etc...)

勤務記録良かったことを聞いた結果、勤務記録はお仕事を助けてくれるツールとして皆さん活用しているようですね。

デメリットは「つけ忘れてしまう」ことや「書き殴ってしまう」が多かったです。勤務記録をつけること自体によるデメリットというよりは、つけたことによるメリットを最大限活かすために直したい反省点が多かった印象です。

著者は今回の結果を参考に来年からObsidianに移動してみようかなと思っています!

皆さんも良かったらいろんなツールを試してみてください。それでは良いクリスマスを🎄